西田もじのブログ

日々雑記を綴ります

美しい墓地からの眺め

姉と墓参りに行ってきた。

僕自身墓参りは3年ぶり。姉と二人きりなのは小学生以来だ。

場所へは2時間以上かかる。住所もはっきりしないのに、何となくたどり着けるから不思議だ。姉はもう長いこと行っていないはずなのに、ここに山羊がいたここにはもうちょっとレンガがあったあそこはお蚕さん(養蚕業をやっていた)のとこだとよく覚えている。だが墓は同じ名字のものがたくさん並んでいて、さすがの姉も「どれ?」と言っていた。地蔵が並ぶ道を渡ると寺の正面。そこを横切って一番奥の左端だ。それにしても山の上だから、墓地からの眺めはなかなかのものだ。尾崎一雄の小説に「美しい墓地からの眺め」というのがあったけど、内容は覚えていない。本棚にもないでやんの。なぜ処分する私。「虫のいろいろ」なんて名作だったのに。

 

墓石の左側にはアマガエルが、垂直にひっついていた。ご先祖様かもねなんて言ったら姉は「カエルは苦手だ」と柄杓の水をぶっかけた。アマガエルはものともしなかった。

「あと1回くらいは来れるかなー」姉が言った。

お互い祖父母の家の前で写真を撮った。誰も住んでいない家は残されていて、時々叔父が見に来るらしい。姉は僕の写真を見て一言「おっさんだな」

あれから何十年経ってんだよ。