西田もじのブログ

日々雑記を綴ります

消えた天才たちって終わっちゃった?

あんまり詳しくは知らないけれど、テレビで「消えた天才たち」って終わっちゃったらしいね。編集でわざと球のスピード速くしたりして見せてたとか。すごいスポーツ選手のその後みたいのはちょっと知りたくなるけど、最近はもう何時間もテレビ見る気力?がない。

少年野球のエースピッチャーがいて、ある日校庭で友達とキャッチボールをしていると彼がとことことこってやってきた。

「西田くん、もうちょっと膝を高く上げた方がいい」

それだけ言うと彼は去っていった。あ、そうなんだと思ってそれからは膝を意識して投げるようになったけど。彼との会話はこれが唯一だ。

それから10年以上しただろうか。たまたま同級生数人で会ったら「おい、こないだの新聞読んだか」って。「Aだろ。あいつ捕まったな」「すげえな全国デビューだよ」などという話になった。僕は読んでいなかったのでびっくりした。エースピッチャーの彼だった。

 

中学3年の時に隣の席になったのは、野球が上手くて有名なBくんだった。ポジションはキャッチャー。大柄でジャイアンタイプの彼は、次第に打ち解けると僕を君付けで呼ぶようになった。一番後ろの席の二人はよく喋ったし彼が作った歌を一緒に歌ったりしていた。彼は僕に捕球の基本を教えてくれた。ちょっとやんちゃだったので敵も多かったのだろう。卒業間近になるとBくんとタイマンしてやるという人が現れたらしい。

Bくんは僕にこう言った。

「お願いがある。Cが俺をやるっていうんだ。俺そんなの関わってられない。西田くん、先生にチクッてくれ」

その頃Bくんは、有名高校の監督がウチに来てくれと直々に家に来ちゃうほどだった。本人も将来はプロを目指している。そりゃあそれどこじゃない。僕はソッコーでちくった。

 

それから三年後の夏、大学受験を控えていた僕は何気にテレビをつけて驚いた。Bくんの顔がドアップで映し出されていたのだ。夏の甲子園高校野球だ。出場してたのか!だがその驚きは二重の意味だ。

彼はでっかい太鼓を叩き、必死で応援していた。

レギュラーになれなかったのだ。

どれほどの挫折だったろうか。でもきっと今頃は、苦味走ったいい顔をしているはずだ。

 

もう一人、野球のみならず運動全般得意な親友がいる。彼も少年野球で腕を鳴らしたらしいが、その頃僕は出会っていないので詳しくは知らない。遠くからこっちに引っ越してきた時にはすでに、野球を辞めてしまっていた。家の事情だ。彼は家の仕事を手伝ったり、学校帰りに幼稚園まで妹さんを迎えに行ったりしていた。

そんな彼は今や三児のパパだ。そして日曜日になると野球のユニフォームを着てグラウンドに行くらしい。少年野球の監督をやっているのだ。